ZARAとソウシオオツキの初コラボは買いか。二重ラペルのジャケットに見るデザインと実用性
ジャケットを買うとき、私はまず襟を見る。肩幅や着丈ももちろん大切だが、襟の形にはその服の性格がよく表れる。細く鋭いラペルなら少し緊張感が出るし、幅の広いラペルならクラシックな雰囲気が強くなる。今回のZARAとソウシオオツキのコラボレーションで気になったのは、ウィメンズの二重ラペルジャケットだった。普通のテーラードジャケットなら一度折り返すところを、もう一段重ねている。たったそれだけの変化なのに、見慣れたジャケットが少し違うものに見える。しかも、とろみのある素材を使っているという。硬いスーツのような印象ではなく、身体の動きに合わせて柔らかく落ちるシルエットになりそうだ。こういう服は、写真で見たときより実際に着たときのほうが面白い可能性がある。襟がどのように重なり、歩いたときにどんな表情を見せるのか。そこが一番気になる。
ソウシオオツキは、日本の文化や精神性をテーラリングに取り入れてきたブランドだ。2025年にはLVMHヤングファッションデザイナープライズのグランプリを受賞し、国際的にも注目を集めた。そのブランドがZARAと初めてコラボレーションしたという点には、単なる話題作り以上の意味があると思う。デザイナーズブランドの服は、興味があっても価格や販売店舗の問題で手に取りにくいことがある。一方、ZARAは多くの人にとって身近なブランドだ。両者が組むことで、普段はソウシオオツキを知らない人にも、そのデザインの考え方が届く可能性がある。ただ、私は有名デザイナーとのコラボだからといって、無条件に評価するつもりはない。大切なのは、デザインの特徴が実際の服として成立しているかどうかだ。名前だけが特別でも、着たときのバランスが悪ければ意味がない。
今回の「A Sense of Togetherness」は、1980年代から1990年代の日本の文化や家族写真を着想源にしている。昭和という言葉から、派手な色や古い柄を想像する人もいるかもしれないが、このコレクションの面白さは、もっと静かなところにあると思う。昔の写真に写っている服は、今の基準で見ると少し大きかったり、肩の位置が低かったりする。スーツなのに身体にぴったり沿っていないこともある。そうした形をそのまま再現するのではなく、現代のリラックスしたシルエットとして解釈しているのだろう。フォーマルな素材を使いながら、堅苦しく見せないという発想も興味深い。私はこういう服を見ると、昔の喫茶店や駅前の商店街を思い浮かべる。少し大きなジャケットを着た大人が、何でもない顔で歩いている。特別なおしゃれではないのに、今見ると妙に格好いい。そんな雰囲気が、今回のコラボにはある。
ただし、リラックスしたシルエットは簡単そうで難しい。単にサイズを大きくすればいいわけではないからだ。肩が落ちすぎるとだらしなく見えるし、身幅が広すぎると身体が大きく見えてしまう。特に柔らかな素材のジャケットは、立体感が不足すると部屋着のような印象になることもある。私は試着するとき、まずボタンを留めずに立ってみたい。その状態で前身頃が自然に落ちるか、襟が左右できれいに収まるかを確認する。次に腕を前に出して、背中が突っ張らないかを見る。最後に椅子に座ってみる。立っているときに美しい服でも、座ると裾が大きく広がったり、襟が浮いたりする場合がある。二重ラペルのような特徴的な構造なら、なおさら細かな部分が気になる。写真の印象だけで選ぶより、実際の動きの中で確認したい。
比較するなら、私はユニクロの感動ジャケットや、COSのリラックスしたテーラードジャケットを思い浮かべる。ユニクロは日常の使いやすさや手入れのしやすさを重視する人に向いているし、COSは比較的シンプルなデザインの中でシルエットを楽しめる。一方、ZARA×ソウシオオツキのジャケットは、襟の構造そのものに個性がある。普通のジャケットを探している人にとっては、少し変わりすぎているかもしれない。でも、すでに無地のジャケットを持っている人なら、こういう一着を加えるのも面白い。私は仕事で毎日着るなら、もっとシンプルなものを選ぶと思う。反対に、休日の服装に少し変化を付けたいなら、二重ラペルのジャケットは魅力的だ。デザイン性と実用性のどちらを優先するかで、評価は変わるだろう。
素材についても、少し慎重に見たい。今回のウィメンズジャケットは、とろみのある生地を使っていると紹介されているが、具体的な繊維の組成や厚みまでは、この情報だけでは分からない。ポリエステルを中心とした素材なのか、レーヨンなどを組み合わせているのかによって、着心地やシワの出方は変わる。私は柔らかなジャケットを買うとき、袖を軽く曲げたあとに生地がどう戻るかを確認したい。シワが残りやすい素材なら、長時間座る日に着るのは少し気になる。また、裏地の有無によっても着心地は違う。薄いニットの上に羽織るなら滑りの良さが重要だし、冬に重ね着するなら腕まわりの余裕も欲しい。デザインが面白い服ほど、こうした実用面を後回しにしがちだが、購入後に着なくなる理由は意外と小さな不便だったりする。
ZARAの限定コラボを探していると、ネットではzara 偽物という検索語や、zara 偽物のようなページも表示されることがある。今回のようにデザイナーとのコラボレーションが話題になると、似た雰囲気の商品も見つかるかもしれない。ただ、二重ラペルのジャケットは、見た目が似ているだけでは判断しにくい。襟の折り返し方や縫製、肩から胸にかけての形が違えば、着たときの印象は大きく変わる。私はこういう服ほど、正規の販売経路や商品の状態を確認できる場所で選びたい。限定品だからといって急いで買うより、サイズや素材を確かめることのほうが大切だと思う。もし発売後に中古市場で探すなら、襟の型崩れや生地の傷み、付属品の状態も確認したい。デザインの特徴が強い服は、その部分が傷んでしまうと魅力が半減するからだ。
今回のコレクションには、ウィメンズだけでなくメンズとキッズも用意されている。ソウシオオツキにとって、ウィメンズとキッズを展開するのは初めてという点も興味深い。私はこれを、単に商品数を増やした企画だとは思わない。家族写真を着想源にするなら、男性だけでなく女性や子どもの服まで含めて考えるのは自然なことだろう。昔の写真では、家族それぞれが違う服を着ているのに、全体として同じ時代の空気をまとっている。今回のコレクションも、そうした関係性を表現しようとしているように見える。ただ、実際に購入するなら、家族で揃えることより、それぞれが普段の生活で着やすいかどうかを優先したい。子どもなら動きやすさや洗濯のしやすさ、大人ならサイズ感や手持ちの服との相性。コンセプトが魅力的でも、着る人に合わなければ長く使えない。
私がこのコラボで一着選ぶなら、やはり二重ラペルのジャケットが気になる。ただし、買うかどうかは実際の価格と素材、そして着たときのシルエット次第だ。デザイナーズブランドの考え方を身近な価格帯で楽しめることは魅力だが、それだけで購入を決めるつもりはない。普通のジャケットと比べて、どこに違いがあるのか。その違いを自分が本当に好きだと思えるか。そこが重要だと思う。私はこのジャケットを、きれいなスラックスよりも、少し色落ちしたデニムに合わせたい。インナーは薄いニットか白いTシャツで十分。足元も履き慣れた靴でいい。特別なコラボレーションだからといって、全身を新しく揃える必要はない。いつもの服装に一着だけ加えて、少し雰囲気が変わる。その程度の変化を楽しめるなら、今回のZARA×ソウシオオツキは、かなり面白い選択肢になると思う。


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